6月20日、青山にある東京ウィメンズプラザにて、草の根歯科研究会患者塾で「医療被曝について考えよう」という講演を聞いてきました。講師は元放射線医学総合研究所主任崎山比早子先生です。先生とは昨年お会いし、先生のお書きになった『受ける受けない?エックス線CT検査』を読ませていただきました。
私は歯科の開業医を23年間やっていますが、放射線がこんなに危険なものだと言う事は昨年まで知りませんでした。私が大学で教育を受けたころは、口内法の歯科のレントゲン数万枚と1年間の放射線自然被曝の量が同じだと教えられ、安全に使えるものとばかり思っていました。昨年崎山先生にお話を伺い、放射線の危険性は蓄積することには驚かされました。医療者は、まず事実を知らなければなりません。
私の知り合いに放射線科医がいるので、CTの放射線の癌になるリスクについて尋ねたところ、「全く問題ありません。」と自信を持った回答が返ってきました。専門家の医師でさえ安全だ、という教育がなされ、その危険性には関心を持ちません。
世界のCTの4分の1は日本にあるといわれ、近年急カーブでその台数を増やしています。そして今では入院施設のない小さな診療所〔歯科を含む〕でさえCTが設置されています。CTスキャンは優れた診断方法ですが、被ばく量が多く、将来癌になる確率が高くなる可能性が示唆されています。後世になってその害が明らかになり、後手を踏む事例は後を絶たちません。医療者は常に診断の利益とリスクを患者に正しく伝える義務があると私は思っています。今後も正しい知識を伝えていくことの必要性を感じた1日でした。
写真は東京ウィメンズプラザの入口にある、青山国連大学前でマーケットをやっていたので写真に撮ってきました。有機野菜や果物がたくさん並んでいました。はちみつや手作りの工芸品もあり楽しめます。