歯科医学へのシュタイナー的アプローチの可能性一覧

第一章シュタイナーと歯科医療総論  第三節 歯

第三節 歯 歯は存在時期にしたがって乳歯と永久歯とに区別され、乳歯は上下顎で各10本計20本永久歯は上下顎で各16本計32本ある。知歯を除けば28本である。 エナメル質は無機質からできている。つまり人間の一部は鉱物からできている。人体が鉱物を作り出す。不思議な現象である。 <歯を貫いている部分は素晴らしいシダに似た姿を示し、根と冠をもっています。つまり純粋な植物表現を持っているのです。(L.F.C.メース、2000、136頁)>歯の萌出は植物の芽が出てくる様子に似ている。噛む面にはシダ様の模様が描かれ、その根は顎の中に張り巡らされた植物の根のようでもある。

シュタイナーと歯科医療総論 第二節 EBM(エビデンスベースドメディスン)とNBM(ナラティブベースドメディスン)

シュタイナーと歯科医療総論 第二節 EBM(エビデンスベースドメディスン)とNBM(ナラティブベースドメディスン) 虫歯は虫歯だけで存在するのではなく、それらは当然のことながら人体に付随している。それぞれの虫歯の成因にはナラティブ(物語) がある。EBMも大切だが歯科医療においてはNBMがさらに重要だと私は考えている。

「歯科医学へのシュタイナー的アプローチの可能性」第一章シュタイナーと歯科医療総論 第一節歯科医療の目的

第一章シュタイナーと歯科医療総論 第一節 歯科医療の目的 歯科医療の目的は健全な口腔内を作り上げることにある。子供が成人に達した時に、虫歯が1本もない口腔内を見ることはとても気持ちがいい。1本の歯も削らないことが歯科医師の使命にもかかわらず、現行の保険制度では病気にならないと治療はできない。したがって歯科医院を訪れる多くの患者はむし歯になったり、詰めた歯が取れたり痛くなったりしたときだけになる。 虫歯は感染症であり、感染が起こってから、むし歯という病気が発症するまでにはかなりの時間がかかる。病気は感染した時が始まりだとすればこの時に感染の除去を行えば、たとえ感染を起こしても虫歯は発症しない。ヒポクラテスは「まず傷つけることなかれ」と言っている。歯科医学も医学の一部であるのならもっと生体にやさしい歯科医療があると私は考えている。 むし歯は感染症であるが生活習慣病としての側面もある。むし歯菌の感染が起こっても、酸を作る食品を頻繁に取らなければむし歯は発症しない。これを医学用語では不顕性感染という。感染が起こっていてもむし歯を作らなければ臨床上治療は成功したと言える。