11月20日心臓外科医佐藤一樹先生の講演を聞いてきました。将来を嘱望された心臓外科医が留学直前に無実の罪で逮捕され、80日間にわたって拘留されました。事実関係と今後の医療の在り方について、先生は科学者らしく事実を淡々と述べられました。
当時佐藤優さん、鈴木宗男さんも同じ拘置所だったとお話しされていました。御苦労も多かったと思います。「当時マスコミからの攻撃をどのようにかわしましたか?」と質問したところ「新聞の締め切りが12時半なので記者はこの時間に帰るからそれまで家には帰らなかった。」とおっしゃっていました。
心臓血管外科専門医、佐藤一樹先生はいつき会ハートクリニックhttp://www.heartclinic-kazuki.jp/doc.htmlを開業なさっています。
<事故責任を押し付けた
大学に最も怒りを感じる
綾瀬循環器病院心臓血管外科佐藤一樹氏
(Nikkei Medical 2008.7 p72-73)
さとうかずき氏
1991年山梨医大医学部卒、東京女子医大循環器小児外科人局。 99年同科助手、2002年千葉こども病院心臓血管外科医長、同年綾瀬循環器病院勤務。
事件の概要
2001年3月、肺動脈弁狭窄を合併した心房中隔欠損症の女児(当時12歳)が、東京女子医大日本心臓血圧研究所で手術を受けた。ところが、術中、大静脈から人工心肺に血液がうまく抜き取れない異常が発生し、脱血不良で患者に脳障害が生じた。
これに対して、執刀責任者で講師の瀬尾和宏氏は、家族に事故の経緯を語らずカルテも改ざん。手術から2日後、女児は意識不明のまま死亡した。
その後、遺族に告発文書が届き、事故が明るみに出た。これを機に同大は01年6月、死亡原因調査委員会を学内に設置。10月には内部報告書をまとめ、死亡原因は、人工心肺のポンプを高回転にした操作ミスに起因する脳障害と結論付けた。
警察は02年1月に、人工心肺を操作した佐藤一樹氏と、カルテを改ざんした瀬尾氏への事情聴取を開始。そして、6月には佐藤氏を業務上過失致死容疑で、瀬尾氏を証拠隠滅容疑で逮捕した。7月には地検が2人を起訴し、9月に東京地裁で初公判が開かれた。
04年3月には、証拠隠滅罪で瀬尾氏に懲役1年執行猶予3年の判決が下された。佐藤氏に関しては05年11月、脱血不良となった原因は操作ミスではなく、回路内のフィルターが水滴で詰まったためで、同氏はその危険性を予見できなかったとし、無罪判決が出された。裁判は現在、控訴審が係属中。一方で佐藤氏は、東京女子医大に内部報告書の公式撤回を求めている。>
以上http://obgy.typepad.jp/blog/2008/07/post-1341-38.htmlより抜粋。