第一章、第五節 アントロポジー医学の医師たちは歯をどのように考えているか?

第五節 アントロポジー医学の医師たちは歯をどのように考えているか

<アントロポジー医学の医師たちは、人間の生涯にわたる「発達」に関心を持っています。そして、一人ひとりの子どもが成長し、おとなになってからも、心や精神、身体にかかわる様々な問題に対処するうえで、いつ、どの歯が生えてきたのか、またその位置や形成に異常があったかどうかを知ることが重要である,と考えています。(ミヒャエラ・グレックラー、2006、33頁)>そのため「歯と健康のノート」を作り、親が、子供の歯が生えてきた時期を記入できるようになっている。歯と歯の生えかわりは、子供の全体的な発達と関連させて捉える事が出来る。この資料はのちに小児科の医師やまたその後、大きくなってから治療する医師にとって体質診断のための貴重な資料となる。歯はそれぞれエナメル質が石灰化する時期が違うそのため、全身疾患がその時期に起こると、エナメル質に形成不全を生じることがある。歯のどの部位が形成不全を起こしているかを見ることにより、病気をした時期がわかる。

ミヒャエラ・グレックラー先生の講演を聞いてきたが、実際には医師というよりは教育者としての一面を持っているような気がしてならない。先生の話で印象に残っていることが一つある。子供はどんなに精神的な外傷を受けても、たったひとりでも、この子供を理解してあげる大人がいたならその子供は立ち直ることができる。という話をしていた。つまり教師ではなくても歯科医師でもできるということである。

<シュタイナーによれば、歯は最も重要な思考期間であるということです。つまり、歯が成長する度合いに応じて子どもは思考するようになるのです。したがって、歯は、単に食事や会話のためだけではなく思考のために重要な意味を持っているのです。(吉田武男、2001、66頁)>歯を丈夫にすることが思考の育成になるのなら幼児期から歯科医院に通い、虫歯の予防処置を受けることは重要である。また食後に歯ブラシの習慣も反復的な練習になりシュタイナーの考えと一致する。

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