歯科医師復活のカギは?

 多分30年位前には医師と歯科医師の大学の偏差値の差は、5くらいだったように思います。しかし今では10以上違います。高校でも大学でも、偏差値が5違うと別の学校だと言われています。これを考えると医師と歯科医師は同じカテゴリーの仕事とは言えなくなったような気がします。
 旧帝国大学で歯学部の設置がないところは東京大学、京都大学、名古屋大学です。この3校は薬学部や看護師を養成する保健学科はあると思います。しかしながら歯科はありません。東大や京大で教育する必要性のあるものではないと国家が考えているような気がします。
 歯学部定員削減が叫ばれ、国立大学が60名の定員削減をしていますが、将来官僚になる学友と接点が持てる歯科医師を削減することは歯科医師全体にとっていいことのようには思えません。万が一、旧帝国大学から歯学部がなくなれば歯科医師の社会的地位は一気に失墜するように思います。
 保険診療ができるもので柔道整復師があります。旧帝国大学では柔道整復師を養成しません。歯科医師は医師から離れ、慢性疾患の予防に努める、より代替医療に近い存在になっていくかもしれません。私は歯科医師のためには東京大学、京都大学、名古屋大学に歯学部の設置を求めていく方がいいと思います。
 歯科医師は健康な個体を長期にわたって観察できる唯一の医療の科目です。治療が終わってしまえばそれっきりになってしまう他科の医療に比べ、患者の変化や精神状態を把握しやすい現場にいます。歯科医師が精神医学、臨床心理学を学ぶ意義がここにはあり、東京大学に歯学部を設置しても充分値するものと思います。
 

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